2009年11月25日

明治の空

『明治の空 至誠の人 新田長次郎』という本をご紹介しますface01

海南市に琴の浦温山荘園という庭園があります。

先日icon12国指定の名勝にも選ばれましたicon12

この庭園はニッタグループの創業者 新田長次郎翁によって

大正の初期から20年かけて造園された潮入り式の大池泉庭園です。

新田の別荘」と呼ばれていたので名前だけは知っている方もいらっしゃると思いますik_18

私も恥ずかしながら本を読むまでは日本初の工業用革ベルトの開発を

遂げた人というだけの知識しかありませんでしたicon10

けれども、この方すごい人なんですicon12

安政4年(1857年)温泉郡山西村(現在の松山市)に農家の次男として生まれます。16歳の時に福沢諭吉の『学問のすすめ』を読み影響を受け、明治10年20歳の時に上阪し製革所に入り製革技術を習得します。明治18年に独立し工業用革ベルトの国産化を日本で初めて成功し、関連事業も興し事業を広げていく一方、大阪で勤労少年のために小学校を私費で設立し(生徒の学用品、衣類、履物にいあたるまで支給)、大正12年には故郷松山に松山高等商業学校(現在の松山大学)の創立にあたり創立費と経営費を出資し教育の振興にも力を注ぎました。現在でも、松山大学の同窓会は長次郎翁の雅号から「温山会」と呼ばれています。海南市の温山荘は翁が55歳の頃、体調を崩し「健康の回復には自分の望む所、好む所を趣味として行うのが第一の養生法である」と聞き造園に趣味があったことから景勝の地琴の浦に造園したそうです。
温山荘開園以来、皇族の方や当時の高官たちも訪れたことから長次郎翁の交友関係の広さ大きさをうかがうことが出来ます。

自分のためだけに仕事をし会社を大きくするのではなく、国のため、周りの人のために自分が出来ることは何か常に考え行動出来る人は現在にはいないのではないかと感動しましたface05

まさに器の大きい方ですik_18

ちょうど11月29日からNHKで『坂の上の雲』というドラマが始まります。

ドラマに登場する秋山好古陸軍大将とは同じ土地に生まれ、同じ時代を生きた親友でもありました。

ドラマを観ながら『明治の空』を読んでみてはいかがでしょうか・・・face01

おススメですicon22  


Posted by 一般社団法人海南市観光協会 at 12:51Comments(2)人物